2004年2月21日(土)
新聞記事から10年後を読み取る努力
「108年の歴史を持つ鐘紡が過去25年に上げた税引き後利益は約270億円。年平均わずか11億円弱だ。同じ期間に同社は、主に土地売却益とみられる総額約2000億円の資産売却益を計上している。税引き後利益の約7倍に上る含み益の吐き出しが、四半世紀の間、名門企業を支えてきたのだ。」
1887年創業した鐘淵紡績。1970年に「ファション元年宣言」、1971年に鐘紡に社名変更し「紡績」から脱皮して多角化を進めました。1977年の出来事には「ハウジング・ツーバイフォー工法を採用」とありますから住宅不動産業にも進出したのでしょう。そして2001年にカネボウに社名変更します。
(カネボウのホームページより)
引用の記事は最近の記事ではありません。1995年6月13日の日本経済新聞の特集記事「土地本位制経済の終焉」からの引用です。この1995年での過去25年というと1970年ごろからです。つまり鐘紡の多角化は土地資産の食い潰しだったのでしょう。
そしてこの新聞記事から9年を経て、ついにすべてを食い尽くして、カネボウは産業再生機構の支援により再生を目指します。(日経新聞2004.2.17.)
この1995年の日経新聞の特集記事は鐘紡の他に、そごうと日産の事例を取り上げていて、最後に「土地本位制経営に決別して、フローの収益力を高めなければならない時代が足早にやってきている。」と記しています。9年前に新聞記者が予感したことが、すべて実現しました。そごうは破綻し、日産は外資に買われて生き延び、そしてカネボウです。
私たちは現在の新聞記事から5年後10年後を読み取る努力をしなくてはいけません。


